aorld NPO法人 あーるど

代表挨拶

ご挨拶

『どんなに重い障がいがあっても、地域の中で愛し愛され生き続けられる社会をつくること』

10年前、大学を卒業してまだ3年目という未熟さで、このミッションのために法人を立ち上げました。当時はちょうど制度の転換期で、子どものデイサービスではとても生計が成り立たないような時期でした。そんな中、職員達と手探りで、障害を持つ子ども達が親御さんの元で、地域の中で健やかに育まれていくために最大限の努力をして参りました。心ある先輩方の助けを頂きながら、なんとか10年かけて事業を軌道に乗せてきました。年々仲間が増えて、今はすっかり組織になってきましたが、すべての職員がその一つの目標のために日々の業務を行っています。

県内のみならず全国の先達の方々、仲間からのお支えを頂きながら、児童期の支援から始まった私たちの実践は今、強度行動障がいという極めて行動面に重い困難性を抱えた方々の地域生活を支援するまでに至りました。そこにはたくさんの困難があるにもかかわらず、一丸となって彼らの地域生活を支えている職員に対し敬意の念がわいてくると同時に、この仕事に対する社会的な認知を変え、新卒の若者達が志を持ってドンドン飛び込んでくるような魅力ある職種にしていかなければと、新たな使命感に燃えているところであります。

また、音楽や芸術文化など、誰しもが興味を持ちやすい領域からノーマライゼーションを創っていくという観点からも、このたび10周年を記念して、青森県が誇るミュージシャンの坂本サトルさんに記念ソングを作ってもらいました。坂本さんは、いつ寝ているのだろうと不思議に思うような忙しさの中で、当法人の事業所を丸一日かけて全て視察をしてくれました。夜は保護者さんとスタッフたちと深夜2時まで交流し、語り合ってくれました。

私は、坂本さんのメロディーや歌声、演奏技術はもちろんのことながら、歌詞に魅了されてしまうのです。なぜ、あのように本質的な歌詞を書くことができるのか、不思議でならなかったのですが、今回記念ソングの作成を依頼したことでその理由がよくわかったのです。

障害福祉と一言で言えど、その主義主張や方法論が数多く存在する中で、あーるどの理念、福祉実践を的確に捉えるということは簡単なことではありません。この先永らく当法人を象徴する歌になるわけですから、歌詞の内容が法人理念と適合しているかどうかは極めて重要なのです。そういう意味での不安は当然あったのですが、坂本さんが現場をじっくりと視察し、子ども達に歌を歌ってくれたり、夜はスタッフや保護者さん達と交流しながら、じっくりと相手のことを知ろうとするそのパーソナリティを目の当たりにして、最後までこの人の全てを信じようという気持ちになりました。

完成した歌を聴いた時には、感動して涙をこらえるのが大変でした。まさにあーるどの理念とこれまでの歩み、これからの歩みを歌にしていただいたのだと感激しました。



【歌詞】


君の話を聞いている 途方もない話さ
雲を掴むような けれど胸が高鳴る
愛し愛され生きる 誰もが夢見るけど
生きていくって事は うまくいかない日々の連続だ


青い森に広がる新しい世界を
歩き始めたなら あとは進むだけ


春を待ちわびながら 夏を刻みながら
君がいる毎日に そっと灯る光になるよ
秋をかみしめながら 冬をいたわりながら
やわらかく 丁寧に
いつの間にか夢がかなうように


白と黒 上と下と どちらか決めなくていい
窮屈は知らぬ間に 自分で作り出してた


君が知らなかった新しい世界が
ほらすぐ隣で 「ここにあるよ」と光ってる


春を待ちわびながら 夏を刻みながら
君がいる毎日に そっと灯る光になるよ
秋をかみしめながら 冬をいたわりながら
やわらかく 丁寧に
いつの間にか夢がかなうように


春を待ちわびながら 冬をいたわりながら
やわらかく 丁寧に
いつの間にか夢がかなうように



さて、世界情勢が大きく変わりつつある昨今、我が国日本も戦後70年の節目に第三次グローバル化の行き詰まりに加え、最大の危機と言っていいほどの超少子高齢社会を迎えました。体操競技に例えるならば、助走をつけ、空高く舞い上がり、華麗な空中技をきめ、着地に向かっているのが現在だとしますと、着地に失敗して大怪我をしないよう相当な軌道修正が求められているように思うのです。その落差、変化に順応するのがやっとと言えるほど、国民全体を閉塞感が覆い、今がよければそれで良いという刹那主義が蔓延しているように思います。あるいは今を生きるのが精一杯で、将来のことを夢見てなんかいられないということの方が本質をついているのかもしれません。

これから私たちが生きる時代は激動の時代になるかも知れません。これは捉え方によっては、まったく暗い未来を指している話ではありません。もちろん捉え方ですので自分次第かと思いますが、私はやはり子ども達が希望に溢れ、大人たちが責任に立ち向かい、高齢者たちが優しさを語らえる故郷であってほしいと願います。その中心に障害のある仲間達がいる社会を創るということを次の10年の法人目標とします。具体的には、次の2点が挙げられます。

一つは、持続可能な福祉実践のモデルとなっていくということです。本当に福祉サービスを必要とする人たちが、生涯にわたりサービスを使い続けらるよう、自助、共助、公助のバランスのとれた実践をしていくということです。

二つ目は、この仕事をもっと社会に誇れるものにしていくということです。社会のバランスをとっていくという意味で、福祉の理念は極めて重要です。最近では福祉業界においても心底理念を持った人というのは希少な存在になってきました。しかしながら、逆に言うならば、私達が今まで出会ってきた先達の方々の理念を次につないでいけないとすれば、それは私達の力不足であります。

この2つを達成できるよう、同様の志を持った仲間たちと力を合わせ、障害のある仲間たち、福祉従事者たち、地域を守れるよう努力して参る所存でございます。しかしながら、何分にもまだまだ若輩者ばかりの団体でございます。今後とも皆様からのご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申しあげます。

平成28年4月1日
特定非営利活動法人あーるど
理事長 大橋 一之




大橋 一之(NPO法人あーるど代表) 略歴

知的障がい者の入所施設勤務を経て、平成17年に『どんなに重い障がいがあっても、地域の中で愛し愛され生き続けられる社会をつくることこと』をミッションにNPO法人あーるどを立ちあげる。青森県のモデル事業である発達障害者支援体制整備事業を受託し、教育、保健、福祉の垣根を越えた連携体制を目指し、コーディネーターとして活動。
 現在は障がいのある仲間とともに、より良い社会づくりを進める傍ら、持続可能な福祉制度を構築するため、全国の仲間達と共にネットワーク活動に従事している。

特定非営利活動法人あーるど 沿革

平成17年
どんなに重い障害があろうとも地域で愛し愛され暮らし続けられる社会をつくるため、「全員参加のまちづくり」を理念に設立。五所川原市に児童デイサービス事業所「びーた支援センター」を開所。知的障害や発達障害のある子どもたちが地域で育つことができるよう、支援を始める。

平成21年
青森県のモデル事業である発達障害者支援体制整備事業の圏域支援体制整備事業の委託を受ける。モデルとなるつがる市において、分野を超えたの包括的個別支援計画書を策定できる支援体制を構築する。
平成22年
共同生活介護事業所「ケアホームびーた」開所。県内の施設で対応が困難とされていた自閉症者の地域生活支援を開始する。
平成23年
生活介護事業所「MuSuBuカフェえいぷりる」開所。コミュニティカフェを運営し、地域の住民と障害者や子供達の憩いの場を創設。
平成26年
就労支援事業所 「はたらびーた」を開所。カフェにて提供している「津軽煮干ラーメン」の出汁や麺、その他製菓等の仕事の場を創設。
平成28年
青森県発達障害者支援センター(津軽地域)の事業を受託。名称を青森県発達障害者支援センター「わかば」(津軽地域)として、事業を開始。

メディア掲載